前回のテーマでお店の課題を考えて洗い出してみました。
課題を明確にしたら、その解決方法としてIT導入を検討する場合を考えましょう。
ITを導入してどうなったら成功なのか、その判断基準となる目標を設定するというのが今回のテーマです。
課題はITで解決できるのか
そもそもITで立てた課題が解決できるのかという判断も必要ですので、普段から相談できる先を持っておくことも大事なことです。
詳しそうなITサービスの営業担当者を捕まえておくのも良い方法です。
あっさり断られる体験ばかりしている営業担当にとって『相談してもらえる』というのは嬉しいものです。
気軽に相談に乗ってくれるでしょう。
ただ自社のサービス以外は答えられない営業担当だと、担当者のITスキルが低い場合がありますのでご注意ください。
お店の課題に対して解決できそうなITサービスが見つかったとして、かける費用はどの程度が妥当なのでしょうか。
目標設定に迷ったら費用対効果”3”の法則
例えば、新規顧客獲得のためホームページをリニューアルするという場合はどうでしょうか。
どこまで凝ったデザインにするか。
何ページ作るか。
ブログ機能をつけるか。
ウェブ予約機能をつけるか。
全部盛り込めば素晴らしいですが、やればやるほど費用はかかります。
実際にやってみないと本当の結果はわかりませんが、妥当性を判断する基準は必要です。
また判断基準は数字の方がわかりやすく、後から確認もしやすいので目標は数値で設定しましょう。
とは言っても、数値目標なんてしたことがないという場合、どうやって、どのような数値を出したらよいか分からないケースも多いかもしれません。
そのような場合には以下のような判断基準をお勧めします。
直接収益につながるもの:かける費用の3倍売り上げにつながるか
間接的に収益につながるもの:かける費用の3割増しで収益アップできるか
費用対効果3の法則です。
直接収益につながるものというのは、例えばサロンのハーブパックのように、オプションメニューとして価格設定できるものです。
ITにかける費用は『仕入れ』で『売値』をつけてお客様にサービス提供する場合です。
例えば月額1万円を支払う場合、そのITサービスで月額3万円を売り上げられるかどうかが判断基準になります。
間接的なITサービスというのは、上のホームページもそうですし、顧客管理システムなどもこれに該当します。
例えば1年間に100万円のIT導入費用をかけたら、導入前の1年間と導入後の1年間で比較して130万円の収益アップが見込めるかどうかが判断基準です。
また、業務効率化のためのIT導入でもスタッフ一人当たりの接客件数をどれだけ上げられるか、残業時間をどれだけ減らせるかなどの視点で3割の収益アップにつながるかを判断します。
目標は実現させるために立てる
収益アップにつながらなければIT導入は失敗だったという結果に終わってしまいますので、導入を判断するときには導入した後の状況を十分に検討し、導入前から勝てるイメージを持ちましょう。
様々な機能が付いていて費用が高いものを導入するならその分目標の数値も高くなります。
逆に少ない機能で費用がかからないものであれば、目標の数値は低くて済みます。
課題と照らし合わせてどちらがお店にとって必要か判断していきましょう。
導入前にメーカーが『お試し利用期間』を設けている場合は、必ず活用してください。
導入後の業務を想定してお試し利用することで、課題の解決につながるイメージを持った上で導入の判断をすることが成功への近道です。
課題の解決のために必要でない機能が多すぎる場合には、導入を見送った方が良いかもしれません。
その判断をするためにもお試し期間は有効に活用しましょう。
最後に現実的な達成時期や期間を考慮し、『いつまでに3倍』あるいは『いつまでに3割』というものを目標として設定します。
課題と同様に、目標も必ず書き出して保管しておきましょう。
目に止まるところに貼っておくと実現しやすいということもあるようです。
お好みで試してみてもいいかもしれません。
【第二回のまとめ】
『成功を判断できる目標を設定する』
目標は数値で設定しましょう。
難しかったら費用対効果3の法則で考えましょう。
『直接収益につながるものであれば、かける費用の3倍の売り上げ』
『間接的に収益につながるものであれば、かける費用の3割増しの収益改善』
目標も課題と同じく記録に残しておきましょう。
次回は、課題も目標も立てて、いざITを取り入れたぞ!という時にどうするかがテーマです。